【ソウル=前田泰広】韓国の保健当局は5日、修道女(44)が新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)に感染していたことが確認されたと発表した。
女性は4月以降、海外に渡航していないうえ、2日に感染が確認された知人の女性(51)と同居していたことなどから、この知人から感染したと断定した。人から人への二次感染が確認されたのはアジア地域で初めてとなる。
韓国での患者は2人目。修道女は4月26日、メキシコから航空機で帰国した知人を仁川空港まで迎えに行き、修道院まで車に乗せた。その後、のどの痛みなどの症状が出て1日に入院し、隔離措置が取られた。現在は快方に向かい、6日に退院する見通しという。
韓国では、同じ航空機で帰国した無職女性(62)からもA型インフルエンザウイルスが見つかっており、精密検査している。
一方、米疾病対策センター(CDC)によると、4日夜時点の全米の感染者(36州279人)のうち、62%は18歳未満だった。季節性インフルエンザは幼児や高齢者に多く、リチャード・ベッサー所長代行は今回の傾向として、「春休みにメキシコを旅行することが多い若者を中心に感染が広まった」などと見ている。
6日午前1時現在、感染が確認された国・地域は21のまま。感染者はメキシコが139人増えて866人、米国は117人増の403人となり、世界では計1552人に上っている。