母国モンゴルに帰国していた大相撲の横綱・朝青龍（２８）が２７日、成田着の航空機で再来日。先場所中に再発した古傷の左ひじ負傷を理由に、２９日に行われる横綱審議委員会による夏場所稽古総見での稽古を回避する見通しを示した。調整不足は明らかで、休場の可能性も出てきた。またこの日、日本相撲協会は夏場所（５月１０日初日、両国国技館）の新番付を発表。豪栄道（２３）が新関脇、栃煌山（２２）と鶴竜（２３）がそろって新小結に昇進した。
朝青龍はわずか３日間のモンゴル滞在ながら母国で先場所９日目の把瑠都との取り組みで痛めた左ひじの治療に専念してきた。だが、成田空港に降り立った横綱は、話題があす２９日に両国国技館で行われる夏場所稽古総見に及ぶと一気に表情をこわばらせた。一度は「あすの稽古の様子を見てから」と話したが、すぐさまニュアンスを軌道修正。モンゴル滞在中に鼻血が止まらなくなるアクシデントがあったことを明かして体調不良を強調。「無理はしたくない。癖になるから」と続け、総見には出席はするが、稽古は回避する見通しを示した。
今月に行われた春巡業では土俵に上がり後輩力士に胸は出したものの、最後まで軽めの稽古に終始。当然、調整不足は否めない。今回の総見にはこれまでに何度も“横綱の品位”をめぐって対立してきた横審の内館牧子委員（６０）も出席予定だけに、ぶざまな姿をさらし“口撃”のネタを与えたくないとの思いもあったのだろう。
この日、日本相撲協会から発表された新番付では東の正位から西に。その正位に就いた白鵬が１５日の外国人特派員協会で将来的な日本国籍取得をあらためて公言してことに関し、朝青龍は「オレは今、そんなこと言っている場合じゃない」と話し、最悪の場合、休場する可能性もある状況であることをうかがわせた。２場所ぶり２４回目の優勝に早くも黄信号がともる事態。さすがに朝青龍も「もともと西は好き。上を目指せるからね。あと２週間ある」と言うのが精いっぱいだった。
